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1131 北アルプス・立山三山縦走

2015年7月4日(土)〜5日(日)

別山頂上からの剣岳の雄姿

 
 初夏の北アルプス、3000m峰を梅雨の晴れ間に堪能した。
 室堂の喧騒を離れて、浄土山と室堂山の鞍部に出るまではほとんど雪上歩行だったが、此処から先、剣御前小屋まで、全く雪の上を歩くことはなかった。ハクサンイチゲなどが咲き始めており、もう少し経てば素晴らしいお花畑になるのだろうと思われる。浄土山から龍王岳を通り、今宵の宿、一ノ越山荘に向かう。今日の歩程は2時間ほど。小屋に着いて荷物を部屋に入れると、明日の天気が心配だったので、今日中に少なくとも雄山だけでも行っておこうと再び靴を履き、歩き出す。
 空身とは言え出だしの急登に喘ぎながら登っていく。それでも40分ほどで雄山神社に到着。既に神主さんは今日の仕事を終えたそうで、拝観料だけ払って頂上神社に登る。ここで立山の神様に日頃の不行状を詫び、明日の晴天をお願いした。小屋に戻ると今夜の同宿は若者ばかり12名。この小屋は食事もよく、水も豊富で快適だ。夏休み中の土曜日は既に予約で満員の日が多いと小屋のご主人が言っていたが、さもありなんという感じ。また泊まりたいと思う小屋がひとつ増えた。

 夜は日付の変わる頃から雨が降り出し、昨日のお祈りは通じなかったかと落胆しながら朝寝をしたが、ゆっくり起きだせば、窓から見渡す黒部源流の山々の上に槍ヶ岳がチョコンと顔を出している。どうやら昨日のお祈りが通じて、天気予報が少々良い方にハズレたようだ。朝食を済ませて直ちに外に出る。後立山連峰の山並みの向こうに雲海が広がっている。今朝室堂を出た登山者と共に、昨日辿った雄山への道を再び登っていく。
 雄山の三角点前で大展望に酔いしれる。北アルプスの主だった峰が一望できる。空は曇りなのだが、展望は素晴らしい。十分眺めを楽しんだ後、縦走コースに入っていく。同宿した若者の1パーティが早立ちしており、大汝山で出会った。彼らはここから往路を引き返すという。大汝山では交代しながら全員、最高点の岩上で記念撮影する。皆で「何とかと煙は・・・」とお互い指さして笑い合う。
 この先の縦走路はすっかり静かになる。先行しているふたり組しか目に入らない。ゆっくりと歩き、周囲の山々を指差しながらの楽しい縦走だ。そして何と言っても剣岳の雄姿が徐々に大きくなってくるのがうれしい。やがて別山の頂上で剣岳を見ながら小休止。大展望ともそろそろお別れだ。
 別山からはほんの少し歩けば剣御前小屋だ。ここからは剣岳に別れを告げて室堂平へと下山していく。途中で登山道を外し、雪渓を滑り降りていく。下りきると沢にかかる橋はまだ外されており、少し上流に歩いてスノーブリッジを渡る。雷鳥沢のテントサイトはほとんど雪上で、僅かの地面にテントが張られていた。ここからバスターミナルまでは階段登りが続く。最後にこんな難所が待っていたという感じ。そしてようやく辿り着いたみくりが池温泉で乳白色のいいお湯に浸かりホッと一息。あとは今日一日の好天に感謝しながら室堂バスターミナルに向かった。

Script and Photo by O.

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