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1012 奥多摩・シダクラ沢遡行

2014年4月20日(日)

小滝の続く楽しい遡行


 奥多摩駅に集合。奥多摩湖行の増発バスに乗り、境橋より二つ目の惣岳で降りる。目の前の多摩川に下っていく歩道をグングン降りて行くとむかし道の車道に出た。車道を右に行きシダクラ橋という吊り橋を渡り、そのまま山道を少し行くと取水堰に出る。ここで沢装備を身に着け、今年初の沢登りが始まる。
 昨夜降った雨の為か水量がいくらか多いようだが、優しく春の喜びを湛えた沢音に喜びが込み上げてくる。初参加のMさんも危なげのない足取りで出発。
 今年の冬の大雪の影響は多摩川の沢でも大きかった。生々しい木々が倒れ行く手を塞ぐ。おびただしい枯葉が岩に張り付き滑りやすい。 冷たい水にも関わらず皆、積極的に水流沿いを攻めていく。3~5mのいくつかの滝はロープを出さないで女性陣にはお助け紐を出してもらいよじ登る。釜を持った滝は釜の縁をへつって、ロープワークで習った三点確保を思い出し慎重に登る。しかしまだ人が入っていない時期の沢は枯葉と苔で滑りやすく注意が必要だ。
 枝沢が入る所に残雪が多くなってきた。沢靴での雪上歩きは滑りやすくヒヤヒヤした。雪を踏み抜かないよう足を置く場所に注意したが、意外と雪は堅く締まっていた。出来るだけ雪を避けて歩いていたが、740m二俣を過ぎるとついに前方はぎっしりと雪がつまり遡行不可能になった。ここで遡行終了にして登山靴に履き替える。付近の地形を眺め、地形図を見ながら登れそうな逃げ道を探す。二俣の右沢はガレガレで足を乗せるとずるずる落ちてしまいそう。大ブナ尾根を目指して支尾根に登ることにする。
 見た目は軽くいけそうと思ったが、崩れやすい45度はありそうな斜面、重力に逆らいながら体力の限りを尽くして四足登りが1時間近く続いただろうか。少しなだらかになった所で休憩。カタクリの可憐な花を踏まないようにして支尾根を上り詰めた所は1128mピーク近くだった。  登山道を見るとホットするのは沢屋とて同じ。「これで帰れる…」と思うのだ。よもやま話に花を咲かせ、大ブナ尾根を降りると、奥多摩湖周辺はまだ桜が咲いていて山々は桃色と芽吹きの浅緑の競演だった。

T.記

 
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