S123 那須山稜:朝日岳、三本槍岳
  
期   日:2024年10月20日(日)〜21日(月)
天  候:晴れ
参 加 者;15名
費  用:約22,000円
コース  10/20 
       峠の茶屋登山口10:22―峰の茶屋跡避難小屋11:44― 那須岳避難小屋12:11
       ―三斗小屋温泉 煙草屋旅館13:22(泊)     
     10/21 
       三斗小屋温泉7:22―隠居倉08:36―朝日岳9:46―1900m峰10:24― 三本槍岳11:38―スダレ山12:44
       ―赤面山分岐12:56―北温泉15:10― 北温泉バス停15:51
      
  1日目(10/20)
 那須塩原駅からバスに乗り、約1時間。那須ロープウェイ山麓駅についた一行は愕然とした。乗る予定は無いものの、那須ロープウェイが強風のために運休となっていたのだ。運休の目安は風速20m程度とのことで、これはつまり、これから向かう朝日岳近辺では強風が吹いている可能性が高いということだ。稜線で20mの強風に煽られたらまずい……と、山麓駅で数十分様子を見るものの、ロープウェイ再開の見込はない。リーダーの判断でとりあえず朝日岳に向かって登山を開始し、途中、風の具合を見てGo or No goを判断することになった。峠の茶屋登山口からスタートしてしばらくは豊かな緑に囲まれて気持ちの良い登山であったが、標高が高くなるにつれ風が強くなってきた。標高1720m付近にある「峰の茶屋跡避難小屋」が視界に入る頃には、吹き飛ばされるかと思うほどの強風が一行を襲う。ほうほうの体で避難小屋なだれ込み、そこで昼食。リーダーは朝日岳への登山を中止すると決断。安全を考え、この日の宿である「三斗小屋温泉 煙草屋旅館」へ向かうこととなった。そこでトップを任されたのが小生である。「いやいや、まさか諸先輩を差し置いて!」とか「でも頼られているのかな?ウキキ」などと浮かれていたのだが、何のことはない、体重と身体の幅で「風よけ」に選ばれたのだった。多少不本意ではあったが、四の五の言っている場合ではない。マジで吹き飛ばされそうな強風の中、小生をトップに旅館を目指し下山を開始。数十分後には風の弱まる地点に達し、約1時間後には、無事、煙草屋旅館に到着したのだった。
 <三斗小屋温泉 煙草屋旅館>
 貴重な紙面をいただいて申し訳ないが、煙草屋旅館については是非書いておきたい。煙草屋旅館は那須連山に囲まれ、かつてはランプの宿として知られた歴史ある旅館である。部屋数20室、60人ほどが宿泊できる建物は風情のある木造で、日本の古き良き旅館といった趣。木板の廊下と障子で区切られた畳敷きの部屋、3つの源泉掛け流しの風呂が宿泊客を出迎える。料理も良いが、なんと言っても最高なのが露天風呂である。源泉をそのまま引いた正真正銘の露天風呂で、木の葉や枝が浮いているのはご愛敬。野趣あふれる風呂の白濁した湯にゆっくりつかれば、全身の疲れが吹き飛ぶ。今回の女性メンバーの中には、4回入った人もいたとか…とにかく煙草屋旅館は最高であった!

  2日目(10/21)
 寒い。マジで寒い。煙草屋旅館最高!と言ったが、一方で最高に寒い木造旅館でもあったのだ。最近ではあまり見かけなくなった霜柱を踏みしめて、2日目の山行スタート。まずは前日登らなかった朝日岳に登頂し、次に三本槍岳を目指すコース。露天風呂ですっかり疲れの取れた一行は、隠居倉を経て朝日岳を瞬く間に攻略。前日とは打って変わって天気は快晴、風も弱いのだった。昨日は気にすることもできなかったが、山肌に紅葉が素晴らしく映えて、まるでカラフルな絨毯を敷いたようだ。山は天候次第で、いろいろな表情を見せる。 2023年10月には、朝日岳の尾根で4人が強風による低体温症で亡くなるという事故が発生している。今回の強風で、山での一瞬の迷いが生死を分けることもあると身をもって学んだ。前日のリーダーの判断は、まさに英断であった。 1900m峰から三本槍岳へと向かう途中には、天候の急変や前日同様、風に煽られる場面もあった。本当に山の天候は予想がつかないが、三本槍岳の頂上は快晴。ここで昼食後、北温泉への長い下り(約5km)となった。北温泉からは再びバスで那須塩原へ。全員無事に新幹線に乗り、大宮で楽しく下山講。風に翻弄された山行だったが、一人もケガすることなく本当によかった!
 最後にリーダー、サブリーダー、会計の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。素晴らしい企画と運営を、ありがとうございました!

(O  記)




1 強風のためロープウェイが停まっているため
リーダーより今後の工程の説明をうける


2 峰の茶屋を目指して登り始める

3 長い急な石段が続く

4 峰の茶屋を出て三斗小屋に向かう途中の紅葉の中を歩く

5 

6 


7 煙草屋旅館に到着


8 夕食風景


9 宿の窓から話題のアトラス彗星も見えた


10 宿を出ると一面の霜と霜柱
まだ月も残る中朝日が差して美しい景色



11 足下から温泉が湧き出ていて温かい


12 朝日岳山頂にて

13 遠くに三本槍岳を望む

14 三本槍岳の頂上

15 北温泉に下山 バスで 那須塩原駅へ向かい帰路につく

  €