2118  秩父:第32番札所法性寺から奥の院  
  
期   日:2024年10月13日(日)
参 加 者;14人
費  用:南浦和規準約2,600円
コース  :①南浦和6:38=新秋津6:58―秋津7:05/7:13秋津=飯能 7:41/7:54=西武秩父8:44
      ②大宮6:24=熊谷7:04/7:10=御花畑8:26―西武秩父8:35
       9:20(西武観光バス小鹿野車庫行き)=松井田9:48―日本武尊神社
       ― 第32番法性寺11:30(昼食)⇔奥の院―松井田バス停16:10=西武 秩父駅17:00(解散)
      
 古今東西、概ね人は今まで生きてきた年月より、残された人生の方が少なくなりつつあると意識した時、何故か“巡礼”という言葉に強い憧憬の念を抱くのではないだろうか?遠くはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、日本では四国巡礼に始まり、西国三十三ヵ所、坂東三十三ヵ所、秩父三十四ヵ所の札所を各県にまたがり点在する霊場を祈りを持って巡り歩き、百ヵ所全て回れば満願という事である。その中でも、秩父札所は他とは違い秩父地方にのみに集中して霊場があり、江戸時代には行き易さから女性にも人気があったようだ。午歳(12年ごと)には、札所三十四ヵ所全ての霊場のお厨子の扉を開け、ご本尊を拝観させていただける総開帳という行事があるそうだ。 そして今回、秩父三十四ヵ所巡りがシリーズ化されるという事で、私も御朱印をいただきながら、今までの諸行の数々の詫び状を納めてまわる思いで参加させていただいた。 その第一回目は、第三十二番札所法性寺である。法性寺の奥の院は長さ200m、高さ80mの舟の形をした巨岩の上の舳先側に岩船観音、船尾側に大日如来が祀られている事で知られている。
 西武秩父駅から9:20バスに乗り込み約40分で松井田停留所へ到着。11:00本日の巡礼のスタートである。先に日本武尊神社へ向かう。道すがら、昔からの山里は、どんぐり、柿の実、栗、コスモス、ワレモコウ、イヌタデ、ススキ、フジバカマ、シュウカイドウ等々、地味だが秋の豊かさをたっぷりと感じるものでいっぱいだ。日本武尊神社は今は閑散としているが毎年3月の例大祭には神楽や小鹿野歌舞伎が奉納される古社である。そこを辞すると、元来た道を戻り、11:30目的地である法性寺に到着。堂々とした二層の山門は秩父札所唯一の鐘楼門だ。厳かに頭を下げ門を潜ると苔むした古刹は奈良時代に行基が開設したという伝承があり、とても趣がある。一先ず御朱印帳を各々が寺に預け、秋明菊やホトトギスの花々が咲く穏やかな境内で昼食をとり、12:00に奥の院に向けて出発。巡礼地故か、かなりの悪路である。途中には斜面に建つ観音堂や岩窟に並ぶ石仏群などがあり、岩場づたいの難所を抜け、張り出した根を避け、岩に這いつくばり、鎖にしがみつき、やっとの思いで、辿り着いた岩上の岩船観音様は、秋の清々しい真青な空を背に一輪の蓮の華を御手に持ち、すっくと御立ちになる御姿でなんとも美しく爽やかな存在だった。柔らかな微笑みは我々に“よく来ましたね”と言って下さっているようだ。その場を一旦下りると、舟尾の大日如来の方へ。ここが最後の難所である。岩壁を小さな足掛け穴と鎖を頼りに這い上がった先は五人程しか身を置けない狭い岩上で、岩窟の中に大日如来様は鎮座されていた。静かな御姿は、岩上から下界を見下ろし、“心を鎮め、これからも励めよ”と仰っていた。少人数ずつ、順番に登ったり下りたりしながらお参りを済ませ、励まし合って来た道を気を抜く事なく本堂へと戻る。観音様の御加護の甲斐あってか全員怪我もなく転落事故もなく、無事に到着し、預けた御朱印帳を手に松井田バス停へ戻る。かなり厳しい巡礼道だった為、予定していたバスより2時間遅い(バスの便も少ない)16:10発のバスで西武秩父駅へ到着し解散となった。
 今回は第一回目である。とっても楽しかった。観音菩薩は衆生の願いに応じて三十三のお姿に化身(人とは限らない)し、私たちを救って下さると云う。残りの三十三ヵ所の札所、どの様なお姿でお会いすることができるのか、大いに楽しみである。残りもきっと面白いに違いない。企画されたリーダーと苦難を共にした仲間の方々に大感謝。ありがとうございました。結願を目指して、この先もどうぞ宜しくお願い致します。

(F  記)




1 西武秩父駅からバスで小鹿野方面へ


2  県道から札所巡礼道に入り、のどかな里山の雰囲気に浸る

3 日本武神社を先に巡り、ここで休憩をとる

4 「法性寺」山門をくぐり狭い石段を登って本堂へ

5 本堂参拝後「納経帳」をお願いし奥の院へ向かう

6 06.本堂奥の岩山の中腹に建つ「観音堂」、木々の中に静かにたたずむ


7 奥の院への道は厳しかった夏の名残か倒木も多く思いのほか荒れていた


8 船の形をした巨岩の上に立つ「お船観音」下で集合写真


9 岩壁の上に鎮座する大日如来像を拝む 狭所のため人数を分けて登る


10 急坂や石段を下り山門に戻って集合写真 撮影後バス停に向かう

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