1971 北海道:ニセコ周辺登山
  
期  日:2023年6月29日(木)~7月3日(月)
参 加 者;12名
費  用:約9万円(JALチケット、レンタカー、高速代、宿泊、飲食、駐車料)
コース  :1日目(6月29日)(樽前山 歩行時間・休憩時間も含む2:00)晴れ  
          羽田空港8:00集合/8:55=新千歳空港10:35=7合目登山口13:30=見晴らし台=外輪山分岐
          =東山(1022m)14:30=7合目登山口15:30=コットンファーム(ペンション)(宿泊)
      2日目(6月30日)(ニセコ湖沼巡り 歩行時間5:10)小雨・曇り  
          コットンファーム6:00=神仙沼レストハウス7:45=神仙沼8:05=大谷地湿原=大沼 9:55/10:15
          =硫黄鉱山跡=イワオヌプリ分岐=五色温泉登山口12:55=コットンファーム (宿泊)
      3日目(7月1日)(ニセコアンヌプリ山 歩行時間4:10)曇り
          コットンファーム9:00=五色温泉登山口9:30=見返り坂9:50=展望台10:40=ニセコア ンヌプリ山
          (1308m)11:33/12:00=展望台=五色温泉登山口13:40=北湯沢温泉 湯元ホロ ホロ荘(宿泊)
      4日目(7月2日)(徳瞬別山1309m ホロホロ山1324m 歩行時間7:20)晴れ・曇り  
          湯元ホロホロ荘8:00=登山口8:40=7合目9:45=徳瞬別山11:10/11:35=ホロホロ山12:25/12:40
          =徳瞬別山13:27/13:47=7合目14:50=登山口16:00=登別カルルス温泉 湯元 オロフレ荘(宿泊)
      5日目(7月3日)(オロフレ山 歩行時間3:55)曇り  
          湯元オロフレ荘8:30=オロフレ峠登山口8:55=オロフレ山10:50/11:10=オロフレ峠登山口12:50
          =新千歳空港15:30/17:10=羽田空港18:45 

 1日目
 ニセコ周辺山行は昨年12月より準備開始、冬氷点下の世界を経て、春になると北海道の景色を思い描き、トレーニング開始 。高山植物が花開き、お花畑が広がっているだろうかと、心躍らせて飛行機に乗り込む。
 支笏湖の南にそびえる「樽前山」は二百名山、大正に噴火した活火山。アイヌ語で「タオロマイ(川岸の高いところにあるもの)」つまり「樽前川上流の山」という意味。 「オフィヌプリ」、「ヌプリ」とは山、「燃える山」という説もある。私達はアイヌの人々が慈しみ大切にした大自然に足を踏み入れる。 登り始めてすぐ、眼下に支笏湖の素晴らしい景色を眺める。支笏湖は日本一の透明度を誇る不凍湖。湖を背にして登っていくと森林限界点に着く。火山砂礫の道を更に上へ。 外輪山分岐に到着するやいなや溶岩ドームが眼前に出現し歓声を上げる。噴煙を上げる迫力満点の溶岩ドームの大絶景を見ながら登って行くと東山頂上に到着。 花といえば、我らがリーダー。花の山登りをいつも楽しませてくれる。火山礫地ならではのタルマイソウを見ては大喜びして写真にパチリ! 誰が一番上手いかな?可愛らしい薄紫色の花と、支笏湖ブルーの雄大な景色を堪能した。

 2日目
 小雨と霧に覆われて視界が悪く、今にも熊が出てきそうな熊笹がワサワサしている狭い 道を抜けると、神秘的な沼に出る。ニセコの中でも最も美しい神仙沼。 「皆が神、仙人の住 みたまう所」だそうだ。アカエゾマツが水面に写り、水草のコオホネが茂る湿原。ハイマツ・ エゾキスゲ・ワタスゲ・ミツガシワが咲き誇る。 ここは別世界。 溶岩台地に点在する池塘を巡り、大谷地湿原、大沼へ。奥へ奥へと進む道は、滑りやすく 歩きにくいが、 ヒオウギアヤメ・チドリ・アカモノ・マイヅルソウ・ツマトリソウを楽しみながら歩き、大沼で昼食。こんなに静かな世界があるのだろうか。埼玉の時間とこの地の時の流れは違う。
 湿原を抜けると眼前の山は一変する。地肌の剥き出しが多いこの山は「イワオヌプリ」 アイヌ語で「硫黄の山」。20世紀噴気活動があった。硫黄川沿いに硫黄鉱山跡がある。 開拓時代、硫黄は、重要な輸出品であるマッチの製造に欠かせない資源だった。今は閉山、「近代化産業遺産群」に選ばれたそうだ。 イワオヌプリを左手に見ながら、五色温泉登山口に向かって歩き、最後長い急勾配を降りて到着すると、雨が降り出した。 神の采配に感謝!五色温泉に浸り、眼前のイワオヌプリを見ながら、本日の行程を振り返る。変化に富んだ大自然の息遣いを肌で感じながら、よく頑張って歩きました。

 3日目
  ニセコアンヌプリは、ニセコ連峰の主峰、日本三百名山。なんと世界の四大スキー場の一つ。アイヌ語で「ニセイ・コ・アン・ヌプリ(ニセコアンベツ川の源の山)」、 「ニセコアンベツ」とは「絶壁に向っている川」という意味。
 早朝かなり降っていた雨も止む。登り始め幅が広かった道は、斜度もでてきて大きな岩がメインとなり歩きにくいゴロゴロ岩の道となる。 「山頂まで2000m」の標識は「1000m」となり、それを励みにがれた道をぐんぐん登って行き到着。外国の青年に写真を撮ってもらう。さすが、世界のニセコアンヌプリ。 標準タイムで歩く我々はまだまだ健脚!錚々たる面々なんです。そのうえ「これはゴゼンタチバナ」「ヨツバシオガマ」「グンナイフウロ」「オトギリソウ」「タニウツギ」と植物の授業のようだ。 「浦和ハイキングクラブ刊行の植物図鑑を作成できる」と冗談を飛ばした人もいるほどだ。

 4日目
 宿泊した山荘の由来となったホロホロ山へ登る。まずは、双耳峰を成している徳舜瞥山へ。北海道百名山。アイヌ語で「トゥクシシスンペッ(アメマスのいる川の山)」。
 川の音を聞きながら登っていくと、どろどろの道となる。沢を渡りや岩を登り、大きな根の上をまたぐ。手ごたえ充分すぎるほどの登山。 冷気を含んだ風にほっとする。羊蹄山が見えた!歓声が上がる。蝦夷富士の名にふさわしい美しい裾野を広げ堂々たる山容。 疲れが癒される。8合目、9合目、山頂はまだかと力を振り絞って到着。岩で囲まれた荒々しい山頂からの眺めは絶景。釣り尾根の向こうにホロホロ山が見える。
 小休止後、いったいどこから下るんだろうと心配するほどのごろごろの石の急勾配を下る。「北海道自然100選」のホロホロ山は、アイヌ語で「ポロポロ・ペッ(甚だ大いなる川)の山」。 名前の響きは可愛らしい。が、厳しい。山頂を目指して真上に登っていく感じ。最後の岩場をクリアして山頂。そして、慎重に、慎重に下る。釣り尾根は爽快。徳瞬別山へは、息を切らしてよじ登っていく。 ふと目を向けると、岩にオダマキ・ミヤマダイコンソウ。風雪に耐え抜き、すくっと咲いている。こんな高所にあるがままに咲いているその姿に、心打たれ、
 元気回復。 さあ、下山だ。悪戦苦闘した登山靴はひどいもの!最後、みんなで川に入り、草や笹を束子代わりにゴシゴシお洗濯。冷水が気持ちいい。変化に富んだ二つの山で、大自然を体感。

 5日目

 標高差300m、地元の人に人気の山ということで、心は軽やか。霧が上がってくる。荒々しい絶壁の岩肌にエゾキスゲの鮮やかな黄色が見える。 中国の山を登った方は、「中国の水墨画の景色。黄山のようだ」と評していた。切り立った恐ろしいような所は落ちないようにそっと覗き込む。 1000mケルンで小休止。ここから山頂までは一気に急登。この山は侮れない。視界を遮るものはなく、周りの険しい山々が見える。足場に気をつけて登る。下りはもっと怖いだろう不安がよぎる。到着。
 五日間すべての山を登りきり、感慨深い! 慎重に下りほっと一息しながら熊笹の脇を通っていく。「けもののにおいだ」皆が声をあげ、一斉に熊鈴を鳴らす。まあ、なんと大きな音。 これで北海道の山も終わりかと名残惜しいような気持ちになっているとあっという間に下山。五日間登った山の表情はすべて違う。  
 一路、千歳空港に向かい、お土産を買う人、札幌クラシックビールで乾杯する人、思い思いに楽しいだ。それは会計さんのおかげで、徴収金額が余ったんです。  北海道の山歩きの醍醐味と花の旅、温泉を満喫しました。一年以上も前から計画し準備してくださったリーダーさん、熊出没の時期、 「熊が出没したらその山は登りません」と毅然とおっしゃり、すべてを安心して委ねることができました。五日間、健康に過ごせるようにと熟考し 、フランス料理・バイキング・和食にしてくださったのです。北海道と言えば、この方、サブリーダーさん、創作意欲全開、作品展で素晴らしい作品をお披露目するでしょう。 ドライバーのお三方は、登山をしながらの運転はさぞかし心身ともにお疲れだったと思います。参加された皆さんに、花の名前や山の歩き方を教えていただき、楽しいおしゃべりに興ずることができました。 思い出深い山行になりました。ありがとうございました。

(S  記)


一日目(6月29日)


1 樽前山登山開始


2 タルマエソウの群生

3 樽前山東山山頂まであと少し


4 樽前山東山(1022M)山頂で集合写真


5 ペンション「コットンファーム」の
フランス料理フルコースを前にお疲れの乾杯


二日目(6月30日)


6 神仙沼レストハウスにて

7 湿原の木道を歩く

8 神仙沼をバックに集合写真

9 大沼到着小休止

10 エゾキスゲの群生

11 硫黄鉱山跡を行く


三日目(7月1日)

12 コットンファームのオーナーシェフと
一緒に出発前の集合写真

13 ニセコアンナプリ山登山開始

14 急登の連続を登る

15 ニセコアンナプリ山(1308M)山頂で集合写真、
アメリカ人青年にシャッタープリーズ

16 来た道を慎重に下山


四日目(7月2日)

17 ホロホロ山荘前で出発前の集合写真

18 徳瞬別山山頂(1309M)で集合写真

19 ホロホロ山に向かう

20 ホロホロ山山頂(1322.4M)で集合写真

21 徳瞬別山頂でメンバーの一人が手を振る

22 オロフレ荘にてお疲れの乾杯(サッポロクラシックの生ビール最高!)


五日目(7月3日)

23 オロフレ荘玄関前で出発前の集合写真

24 オロフレ峠駐車場から今日で最後の登山開始

25 あの岩山を超えるとオロフレ山が見えるかな?

26 いくつものピークを越えてもまだ目的地に着かない

27 やっとオロフレ山山頂(1230.8M)に着いて集合写真

28 切り立った崖の尾根を慎重に下る。