1879 南アルプス 甲斐駒ケ岳(黒戸尾根経由)
  
期  日:2022年10月3日(月)〜4(火)
天  候:晴
参 加 者;計8名
費  用:約19,000円
コース :10/3  南浦和5:30-西国分寺5:58/6:14-八王子6:30/6:35-長坂8:54(タクシー)-尾白沢渓谷駐車場
          9:20/9:30--笹の平分岐11:45(昼食)12:05--刃渡り13:45--刀利天狗14:15--五合目小屋跡
          15:10/15:20--七丈小屋16:35 
      10/4 七丈小屋5:00--八合目--甲斐駒ケ岳7:30/8:00--八合目9:15--七丈小屋10:00/10:25
          --五合目小屋跡11:15--刀利天狗12:00--刃渡り12:25--昼食13:00/13:15--笹の平分岐
          13:50--尾白沢渓谷駐車場16:20/16:30(タクシー)-長坂16:50/17:32-甲府18:05/18:35
          (あずさ50号)-立川19:42/19:44-西国分寺19:49/20:00-南浦和20:29/20:35-浦和20:37
     
 10/3
 いよいよ日本三大急登の一つ、黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳登山の開始である。 天気は快晴、「甲斐の山々、陽に映えて、われ出陣に憂いなし」と言いたいところではあるが、 「憂いはあり」である。標高差2200m、五合目以降は厳しい岩場が山頂直下まで続く黒戸尾根を果たして登れるだろうか、 ユーチューブで見る限りでは刃渡りは鎖があるから慎重に行けば大丈夫だろう等等、我が憂いは尽きぬが、総大将(リーダー)、 大将(サブリーダー)に従い前進するのみ、いざ出陣となった。標高778mの尾白沢渓谷駐車場を出発、程なく、 木々に囲まれた竹宇駒ケ岳神社に到着、登山の安全祈願の参拝をし、尾白川に架けられたつり橋を渡り、いよいよ登りが始まった。 樹林帯の中、いきなり十二曲がりと呼ばれる急登が続いた。30分くらいでなだらかな登りとなり、足元には山栗がたくさん落ちていた。 その先は急登となだらかな登山道が交互に現れ、やがて笹の平分岐に着いた・。ここでランチタイムを取りホッとひと息。更に歩を進め、 標高1628mには 駒ケ岳黒戸龍神が祀られていた。甲斐駒ケ岳、黒戸尾根は古くから山岳信仰の修験道として山伏達がこの厳しい登山道を行き来し、所々に神仏や祠が祀られていた。 黒戸龍神を過ぎると今までの登り以上に更に厳しい急登が続いた。小休憩を挟みながら、標高1700mまで登ってきた。 更に厳しい急登が、20分続いた後、なだらかな登山道が現れホッとする。時折、涼風も感じられた。 登山道の両脇は苔でおおわれ、さながら苔の森のようであった。しばらくは緑が美しい苔の森をホッとしながら歩を進めたが、 それも束の間、岩場が現れた。いよいよ刃渡りであった。その名の通り、刃物のように鋭く尖った岩場が続くが鎖がしっかり付いており、 慎重に渡る。途中、見渡せば遥か八ヶ岳や秩父連山の展望が広がっていた。あれだけ緊張していた刃渡りも山々の眺望の感動が勝り、 わあ、スゴイネ〜! 等、歓喜の声があちこちから聞こえた。刃渡りを過ぎると左側が切れ落ちた痩せ尾根、更に連続の梯子が現れ慎重に登った。 次に鎖場が連続する急登が続き、またまた緊張の連続。やがて標高2010m、祠が祀られている刀利天狗に着いた。更に進むとまた、 なだらかな苔の道が現れ、黒戸山山頂を越えると今度は急下りが続いた。100m位下ったところに広い平らな場所があり、ここは五合目小屋跡だった。 その昔、修行をする山伏達のために建てられた山小屋があったとの事だった。ここからは目指す甲斐駒ケ岳が見えた。 小休憩の後、更に進むと巨大な屏風岩が目前に迫った。屏風岩の下部には不動明王などたくさんの仏達と文字塔が建っていた。 この先は更に厳しい鎖場、梯子が続き、岩場の段差も高かった。必死で登る傍らにも不動明王像などたくさんの神仏達が祀られていた。 見上げれば周囲の山々が美しかった。目前には、ほぼ垂直の梯子が迫ってきた。慎重に一段一段登っていき、ほぼコースタイム通りに七丈小屋に到着することが出来た。
  10/4
 朝5時に出発。まだ暗く、空にはオリオン座が輝いていた。次第に木々の向こうにオレンジ色の朝焼けの空が見えてきた 巨大な一枚岩が現れ、展望が開けた。 5:40、雲海の中からオレンジ色のご来光が現れた。八合目に到着、巨大な大日大聖不動の石碑が祀られ、石の鳥居は柱の一部だけが残っており、その後方には甲斐駒ケ岳の雄姿が見えた。 八合目を過ぎるとまた厳しい岩場が現れた。大岩で一段が高く、鎖につかまり必死でよじ登った。また高さ4m、 ほぼ垂直の鎖場があり足場もわずかしかなく、これも必死で登った。やがて九合目に到着。巨大な岩の上に二本の剣が刺さっていた。 周囲を見渡せば北岳、間ノ岳、鳳凰三山、地蔵岳のオベリスクまでが見え素晴らしい眺望だった。 二本剣の大岩を巻きながら登り、7:30甲斐駒ケ岳に登頂することが出来た。山頂は真っ白な花崗岩でおおわれ、駒ケ岳神社の本宮の祠が祭られていた。 360度の眺望で周囲の山々が美しかった。ついに黒戸尾根を登り甲斐駒ケ岳山頂に立つことが出来た! 皆で登頂を喜びあい、山小屋で作って頂いたいなり寿司を食べた。   その後、下山開始。ほぼ垂直の鎖場、足場がないような大岩の急下りなど厳しい難所を下りながら七丈小屋に着いた。 荷物を整理して更に下山。厳しい岩場、鎖、梯子の連続が続き、登りよりも更に緊張する中、予定より時間もかかり16:20尾白沢渓谷駐車場に着いた。 あずさ号を待つ間、甲府駅ホームで下山講をし帰路についた。
 黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳登頂は決して自分一人の力では出来なかった。リーダー、サブリーダー、メンバーに助けられ、 甲斐駒ケ岳の神仏達に守られて果たすことが出来たと思う。黒戸尾根を必死で登っている時、「自分は今までどう生きてきたか」を試されているような気がした。 甲斐駒ケ岳の神仏達は見ていると思った。登山でこのような貴重な経験をしたのは初めてだった。憂いは多々あったが、この貴重な山行は忘れられない。厳しかったけれど本当に登って良かった。 過酷な状況の中、いつも穏やかにサポートして下さったリーダー、サブリーダーには本当に感謝です。そして難所で声かけあって頑張ったメンバー達にも感謝です。ありがとうございました。

(W  記)



10月3日(一日目)

リーダーよりスタート前、2日間の心構えと
注意事項などの説明(尾白沢駐車場)


竹宇駒ヶ岳神社で安全登山のお参りを済ませ、
この吊り橋を渡るといよいよスタート。


この日は、ものすごく蒸し暑く、最初の脱ぎタイムで
皆汗びっしょり。


刀利天狗 手前の刃渡りを越える。危険だけど眺望もいい。


刀利天狗(2049m)もう1270m登ってきた。
ここから鎖・梯子などさらに手がかりが何もない箇所が頻繁に続く。


七丈小屋の夕食。この日は、我々8名だけの貸切。
豪華な美味しいカレー、特製ウインナ、コロッケ、サラダ、冷麦盛りだくさん。



10月4日(二日目)

八合目、巨大な大日大聖不動の石碑の前で
モルゲン ロートに照らされて、気合十分のメンバー。



下の方から見ると岩の上に刺さっている2本の
大きな剣が山頂だと思ったが、来てみると先は長い。


やっと見えてきた甲斐駒ヶ岳山頂。

甲斐駒ヶ岳山頂直下の長い鎖場。

難所~難所を幾度も越えて辿り着いた甲斐駒ヶ岳山頂
の8名。旗が一番元気かな?それにこの青空。俺もう
感激して「もうなんもいえねえ!」


甲斐駒ヶ岳山頂から再び七丈小屋に戻ってきて、
これから神経すり減る危険~な下山準備。