No.1558 歴史の道ハイクR  滋賀&京都&奈良

期   日:2018年11月28日(木)〜12月1日(日)
参 加 者 :10名
費   用:48,000円(東京〜京都往復ひかり新幹線利用・宿泊代)

 一日目 <比叡山ハイク > 曇り時々小雨
 東京発7:33発のひかり503号の1両目の自由席に皆おさまり、ワクワクと 出発。京都駅から乗り継いで、出町柳からは叡山鉄道で、八瀬へ。
 天気はちょっと小雨っぽいが、ケーブルの駅付近は紅葉の真っ盛りで、気分 も高揚!? たくさんの外国からの観光客で賑やかだ。さらにロープウエイに乗って目指す比叡山延暦寺は、ご存じ、最澄が788年に開いた天台宗の総本山。信長 の焼き討ちに遭い、果敢に戦った僧兵の歴史など思い起こしながら歩き始める。山中には多くの塔や伽藍があるが、我々は修験者ではないので、西塔か ら東塔へまわり、根本中堂では、「不滅の法灯」もお詣りさせて頂く。さすがに、標高があるので寒かったが、バスセンターの食堂で熱い蕎麦やうどんで ほっこり。下山は日本一長いというケーブルで、阪本へ下る。
 山裾の阪本は延暦寺あたりの賑わいとは打って変わって、閑静で広々とした住宅 地。日吉大社の参道や叡山高校のあたりはことにもはもみじが鮮やかで、垣を巡らしたお屋敷もある。どの石垣も皆「安太衆積み」に見えるなあ。
 雨も止み、京阪電鉄から乗り継いで宿の南草津の東横インには4時半頃の到着。 今日から三晩、シングルで過ごせるのはラッキー。

 二日目 <琵琶湖疎水ハイク> 晴れ
 この日は、待ちに待った疎水歩きだ。(自分だけかな….)予定では、三 日目の計画だったが、天候の安定しているうちにということで、この日になる。
 キンとした青空の下、京阪で三井寺から歩き始める。琵琶湖からの取水口の 大津関門から、煉瓦積みの第一トンネル東口で、伊藤博文の書になる扁額をしっかりと確認。ここからトンネル内を流れる疎水を想像しながら我々は山越え だ。(なんせ、ハイキングクラブだもの!)小さな地蔵堂を拝んだり、ススキの小道 をたどる。途中、今も現役の第一竪坑に感激し、再び疎水の流れに出会う。  紅 葉や銀杏の黄金の道を行く途中、蹴上インクラインから遡上してきた遊覧船と遭遇。 お互い子供のように手を振り合うのも愉しい。
 天智天皇陵からは、ちょっと歩きをスルーして、地下鉄で御陵駅から蹴上駅まで移 動。蹴上インクラインの眺めは、これもまた、よくぞ明治の頃に造られたと感動しきり。設計した若き工学博士「田邊朔郎」の凜々しい像を見上げ、インクラ インの緩やかな坂を下りながら、難工事の多くの犠牲者を思う。ゴールの南禅寺「水路閣」は大勢の人波に少々辟易する。ここで“湯豆腐”の晩ご飯の心つも りだったが、とてもとてもムリ。時間も早めだったので、都の中心街へ出て イノダコーヒーで一息入れる。
 夕闇迫る頃には、三条大橋から鴨川に添って白川通り、先斗町、花見小路、祇園と 京のめくるめく街灯りの中、迷い無く小路から小路を案内してくれるリーダーに感心したり、こんなにたくさんの店が良く成り立つなあ、など田舎者の 感想を喋りつつ、夕餉は京野菜のお店で、ゆったりと湯豆腐をメインのおばんざいを いただき、美味しい地酒で胃の腑も心も満足する。
 食後は八坂神社の境内を抜け石塀小路の迷路のような石畳をスイスイと歩かせて貰っ て、心地よい夢路へと向かった。

 三日目 <琵琶湖1周ハイク@> 晴れ
 出発は、大津駅の旧東海道の石畳歩きから始まる。このあたりで、明治の時代、大国ロシアの皇太子に切りかかるという大津事件がおこったと、滋賀生まれのN氏に云われてはじめて、気づくうかつさ…。浜大津に足をすすめ、かっての湖上交 通の要衝、秀吉も重要視した大津港を眺めて三井寺へ。まずは仁王門から釈迦堂、近江八景に数えられる“三井の晩鐘”の鐘楼を横目に三重塔へと足早に歩く。(長い歴 史は、帰宅してからゆっくりと….)大津市内の大通りをすすむと鬱蒼とした森が目に入る。近江神宮だ。昭和15年に建てられたと云うが、中世風の荘厳な造りだ。 ミーハーの自分には、百人一首の競技カルタの殿堂、といわれた方がしっくりと来 る。
 ここからはJR湖西線と湖畔の間のR161を歩く。交通量も多く、時折見える湖面に励ま されてのニンニンの歩きが続いた。唐崎の松はまだか〜、の泣き言が出る頃にやっと、近江八景「唐崎の夜雨」の老松に着く。大休止!枯れてしまった三代目 の老松に、寄り添う四代目の松が初々しい。晩秋の日差しに、湖面の色は藍に濃く、このあたりは入り江っぽいので波も静かだそうだ。枯れた蘆のほおけた穂先と湖面低 く飛ぶ水鳥たちが古を偲ばせる。
 元気を取り戻して先へ進むと、エッ、何?埴輪?に見える像がたっている。近づ いてみると、なんと、明智光秀の像!ここ阪本は光秀の居城だったのだ。それにしてもあの像はないよね〜、とワイワイ。来年の大河ドラマに期待しなくて は。なんて、蛇足。
 秋の陽が傾く頃、京阪電鉄の松ノ馬場駅から宿へ帰る。この日の夕餉は駅近の韓 国料理の食べ放題で、話題は尽きなかった…。

 四日目 <京都・哲学の道など> 晴れ
 今日は自由行動の日、となっているが船頭さんがいないと歩けない面々な ので、まずは境町三条のイノダコーヒー本店での朝ご飯に、連なって行く。
 古い町屋風の構えのレトロなお店でゆったりと食べた後は、バスの一日券の 利用を経験しようと、市バスにのって銀閣寺へ。久しぶりなので京の町並みを見下ろせる庭の高みまで登って、義政はん、の気分をチョッピリ味わう。そ こから哲学の道を法然院に寄ったりしてのんびり散策。ここの水路も琵琶湖疎水の流れのひとつだ。永観堂や南禅寺の人混みは避けて、みんながお土産に欲しい という“阿闍梨餅”本店のある百万遍までまたバスで行く。
 リーダーが予約しておいてくれたお店の時間に、だいぶ遅れてしまったが、御所蛤御門のそばの、“おづ”で、箱膳のお昼をゆったり味わう。まだまだ美味しい漬け物やらのお土産が欲しいので、帰りの新幹線を予定より一本送らせて、 錦市場へ。予想を上回るような人混みだったが、なんとか、年の功で(関係ないか…)お土産をゲットし、新幹線には発車1分前に飛び乗るという、高齢 者にあるまじき?離れ業で、無事、東の都に帰り着いた。
 愉しかった四日間、このリーダーでこのメンバーの特色が、遺憾なく発揮された四日 間でもあった。みなさん、お世話様でした。

(T 記)


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 一日目
 
 
 
出町柳の叡山鉄道。可愛い車両は満員だ。 ロープウエイを降りると、今が盛りの紅葉が出迎えてくれる。 比叡山山頂駅で、まだ、新鮮な笑顔?
 
 
 

東塔の阿弥陀堂への急階段。

根本中堂の伽藍は修理中だったので、ここでパチリ。 この日本一つて長いケーブルで、阪本へ下る。
 
 
 
庭の美しい慈眼寺?かな。  下校中の高校生と、かっては若者だった我と…。 日吉大社へのメインストリートも紅葉と石垣が美しい。
 
二日目
 
 
 
疎水の始まりは大津関門。取水口だ。感激。 さあ、これから頑張って歩くぞ。 第一トンネル東口。扁額は伊藤博文の「気象萬千」。
トンネルを流れる疎水を追って山道を行く。小さな地蔵堂で一息。 荻か尾花か、秋の陽に輝く。 第一竪坑。この付近で木津からのウオーカーに会う。
 
 
 
第一トンネルの西口。扁額は誰? 眼下の流れに遊覧船が遡上してくる。今度は乗りたい? もう、山科のエリアか。何本目かの橋で。
 
 
 
これは桜の紅葉か。今度は桜の時に来たいって? 蹴上に出ると旧九条山浄水場。今は遊覧船の発着場でもある。 良く歩いたね。満足、満足。
 
 
 
インクラインを下る。このレールを使って舟を陸揚げするなんて、凄い技術。 ゴールの南禅寺の「水路閣」。これも明治の建築物とは恐れ入る。 今日を締めくくるのはライトアップされた八坂の塔。ずっと眺めていたいなあ。
 
三日目 
 
 
 
大津駅から旧東海道の石畳を辿って出発。 三井寺の仁王門で。今日も快晴だ。 威厳漂う近江神宮。ここでのカルタ大会、盛り上がるだろうな。
 
 
 
唐崎神社で、やっと琵琶湖の湖面に近づく。 「唐崎の松」。三代目の枯れた姿が痛々しいが、四代目、頑張れ。 土地の方から色々な話を聞かせて貰い、シャッターも押して貰う。
 
 
 
しばし、美しい琵琶湖を堪能する。 えっ、これが光秀?そう、ここは阪本なのだ。 今日もしっかり歩いた、。電車を待つ間のしばしの憩い。
 
四日目 
 
 
 
街にとけ込む佇まいの、イノダコーヒー本店。 銀閣と向月台の眺め。これぞ、クールジャパン? 庭園の展望所から、東山の市街を眺める。タモリになった気分…。
 
 
 
哲学の道を辿る。 哲学より雑学なら得意なんだけど、なあんて声も聞こえてきたよ。  お昼ご飯の、美味しかった箱膳。
 
 
 
お買い物のメッカ、錦市場。この大繁盛ぶりは、若冲も予想しなかっただろうなあ。