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933 山形庄内・鳥海山

2014年7月6日(日)〜7日(月)

早朝出発して振り返ると、奥羽山脈南部の山々が朝日に照らされている。いい天気になった。。


1日目
 当初富士山の予定でしたが、天候不順のため係Oさんの配慮で昨年中止になった鳥海山へ代替することにして3名で遠路山形へ出発。さすがに天気予報通り日本海側の天気は良好で緑がまぶしい。特に海岸線は海好きというより、今は違法というより昔から違法なのだが、魚介類を取る事には目のない私は、海を見るとついつい潜りたくなる風景が続く。鳥海山に行くには早すぎるため、新潟県村上市の新保岳へ明日の足慣らしに行くことにする。
 新保岳は、852.2mの標高であるが、一等三角点を有し、巨木のブナ林に囲まれ、多分地元の小学生達の遠足に使用するような地域の里山という感じである。この低山は馬鹿にして掛ると鼻っぱしをへし折られる。最初の20分程は急登が続き、どっと汗が噴き出て、完全に鼻は折られた。頂上は粟島や佐渡が見え気分は上々。海を見ていると加山雄三になった気分になるのは私だけだろうか。しかし誰とは言わないがこの海を見た某さんは雲海だと思ったらしく、さすが我ら海なし県在住の感想!お笑いはさておき、登山口に戻りまた海岸線をひた走り山形へいよいよ突入。登山口の湯ノ台駐車場へ至る。
 鳥海高原から見る鳥海山の雪渓はかなりあると思われる。湯ノ台口登山口駐車場に到着すると好天のためか駐車場は路駐も多く、相当数の方が鳥海山を目指したことが判る。さすが百名山。駐車場でOさんが状況を聞いてくれ、かなり雪が有りアイゼンは必要と判断。準備し滝の小屋へ出発。小屋へは結構流れのある沢を渡るが、橋が掛っているので安心。30分程で今日の宿泊の滝の小屋へ着く。玄関を入るとカビ臭く、いかにも山小屋という感じをほうふつさせる。小屋の裏には雪渓があり、グリセードで遊ぼうと挑戦をするが斜度が足りず思うように滑らない。しかしこの雪の感触で早朝にはアイゼンは必需品と納得。
2日目
 本日の行程を考え4:30前に寝ぼけた感じのまま出発。途中八丁坂で月山や日本海を眺めながら朝食とする。今日は午前中が勝負とだれもが認識をしている。河原宿小屋でいよいよアイゼンのお出ましだ。雪は固く締まっておりノーアイゼンでビブラムの状態が悪ければ、滑落の可能性は十分ある。それにしても天候状況は良くなり月山がよりはっきり見えて来ている。心字雪渓を超えると一気にピークの全貌が我々を見下しているかのように向かい入れてくれた。ここから見る庄内平野の水田と日本海のコントラストは私の経験した山とは、かなり違った雰囲気を醸し出し、この地域の歴史や風土がここから垣間見ることが出来た気がした。これが東北の山なのか。
 最高峰手前の七高山にたどり着くとピークの岩に白カビのように見えるイワウメがびっしりと咲いている。天気はどうも今日は持ちそうで安心し、ここで支部の旗を開き写真を先客の方に取ってもらう。だが時間も迫っているため、早々に鳥海山最高峰の新山へ至る。信仰的な習わしか山頂の各石には名前が彫られているのが多い。何十回も言いながら登ったけど「鳥海山サイコー!」
 直下の大物忌神社の脇を通り千蛇谷を経て次の目的地、鳥海湖を目指す。途中ニッコウキズゲがちらほらと咲いており更にその下ではハクサンイチゲの群生地帯が広がる。写真に良く出ている場所だ。鳥海湖はすっぽり雪渓に覆われているが、雪渓がクラックとなっているため、湖の原型が見て取れる。まさに「いまでしょ」しか見られないものを見てかなり得した気分になる。
 ここからまた雪渓を歩き千畳ヶ原経て、今日最後の沢歩きに近い急登を私はぜいぜいしながら登り、河原宿小屋へ戻ってくると今日の行程もいよいよ終わりに近い。朝よりも気温が上がってきたためか滝の小屋までは、高山植物がかなり咲いていた。特にヨシバシオガマはこんなに咲いていたかと思うぐらい咲いており、最後まで我々を楽しませてくれた山旅も最後の雪渓を下れば滝の小屋に着く。預けていた用具をピッキングし早々に駐車場へ向かい全行程を終える。
 今回の鳥海山は、花も豊富で飽きない。多分、死んでも忘れられない山の一つになった。文中で記載してないチングルマ・イワギキョウ・ツガザクラ・ホソバイワベンケイ・ミヤマキンポウゲ等々あげたらきりがなく、とりわけハクサンイチゲの群生は見事だった。現役時代に行った大雪山以来の多くの高山植物を見る事が出来、行者岳あたりの風景は大雪の風景にそっくり。郷の友人達に写真を送ると「お前、大雪来ていたら声掛けろよ!」と勘違いすると思われ、スモール大雪であった。何度でも訪れたい。6月、8月、紅葉、来年はいつ行くの?今から考えただけでもわくわくするぐらい気に入った。この山行を与えてくれ、長時間の運転もしてくれたリーダーに「あっぱれ」「ほんと、なまらエガッタ」

Script & Photo by Y., and Photo by O.

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