953 苗場山から小松原湿原

2013年10月20日(日)~21日(月)

中ノ代の湿原を歩く。木道が朽ちて壊れそうだ。


 1日目は天気予報通りの雨で、回復も見込めないため津南町にバスが入ってから急遽、苗場山の山小屋をキャンセルし、小赤沢の民宿に今宵の宿を求めた。しかしドライバーを含めて14人の宿泊は、なかなか民宿では受け入れてもらえず、ようやく4件目の苗場荘で、別館を開けてもらい宿泊が決まった。ほっと安心して、観光する気持ちの余裕も出た。
 秋山郷に向かう道すがら、国道端に立つ幟に惹かれて、「津南酒造」に立ち寄った。ここの日本酒は、今年の品評会では全国で金賞、そして新潟県のコンテストでは、星の数ほどもある新潟銘酒のなかで、なんと第一位に輝いたそうだ。皆試飲して、それぞれに気に入った酒を買い求めた。昼食は、萌木の里という温泉観光施設の中に、四阿がありそこで弁当を広げることができた。さらに映画の舞台になったという、よく揺れる吊り橋「見倉橋」を渡ってみたが、一部の参加者は途中であまりの揺れに、渡るのを断念して戻った。
 その後はだいぶ早い時刻だったが、民宿に入れてもらい、まったりとした午後を過ごした。夕刻ほとんどの参加者が、歩いて10分ほどのところにある温泉、楽養館で赤い湯に浸かった。帰ろうとすると、バスが到着し我々よりもだいぶ若い感じの登山者たちがおりてきたが、そのツアーは今日、この雨の中を鳥甲山に登ってきたそうだ。楽養館の従業員も驚き、半ばあきれていた。
 苗場荘は、おいしい食事と快適な居室で、ゆっくり過ごすことができ、ありがたかった。

 2日目は夜明け前から晴れたので、朝食もそこそこに出発し、小松原湿原を目指して、行けるところまでということで、見倉トンネルから登り始めた。初めは急坂でたっぷり汗を絞られたが、色づき始めた木々が青空に映え、秋の山登りを実感させてくれた。
 2時間ほどの登りで金城山に着き、ここからは平坦あるいは今までよりも緩やかな登り道になるのだが、昨日来の雨のせいか、滑りやすく神経を遣う道であった。やけに沢音が激しいと思っていたら、川クルミ沢の渡渉点は飛び石が流水の中で、飛び越えるのに少々の勇気が必要であった。それにしても地形図の等高線から受ける印象に比べてすごい水量だ。豊富な水が、銘酒のもとになるのかと納得した。
 いくつかの大きな倒木を越えたり、ぬかるみを迂回しながら歩いて行くと、木道のない湿原に出た。今時、湿原を直に歩くのは貴重な体験だ。そこは既に草紅葉というより、枯れ野だった。すぐにまた湿原が現れ(ここには木道があった)、サンピア津南への分岐に出た。小松原湿原の一角、中ノ代に着いた訳だ。ここからは少し登って、時刻も頃合い、またちょっと雲行きも怪しい感じなので、今日はここまでと、湿原の木道の上で昼食にした。辺りの湿原は、周囲の木々の紅葉がまだなのに、どことなく既に雪を待つ雰囲気であった。
 食事を済ませ、往路を滑らぬように注意しながら、見倉トンネルに向かって下っていく。もし計画通りに縦走していたら、この辺りが疲労のピーク、最後の力を振り絞ってということになりそうだが、今日は皆余裕の表情だ。僅かに雨が降り出した頃、駐車場に降り立った。
 帰路は津南町の龍神の館で、開放的な露天風呂に長湯した後、月曜日ということもあり渋滞なしの高速道路で熊谷駅まで順調に戻った。
 今回の山行には、はるばる静岡から参加の方もおり、大変残念な天候でしたが、これに懲りずにまた、上信越、越後方面の山行にどうぞ皆様ご参加ください。楽しい計画を用意しますので。

O.記

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