NO 834  奥丸山~新穂高温泉

2012年8月18日(土)~20日(月)   H24リーダー会シリーズ⑧

        
1日目
 新穂高温泉でバスを降り、軽く食事をとっていると、ポツポツ来ていた雨が雷を伴って一気に土砂降りになる。
 小降りになるのを待って予定より1時間ほど遅れて歩きはじめる。右俣林道はまるで浅い沢のようだ。
 白出沢出会から山道に入ると、下山してくる人たちが口々に「沢は水嵩が増して急流になっている。橋が流されている所もあり渡渉はたいへんだよ」と云う。不安を抱えながらも、リーダーに判断をゆだねて歩く。
 しかし、「今、橋を補修しているよ」と云う情報もはいり、少しほっとしながら最初の渡渉は無事クリア―。
 滝谷出会に近づくと沢音は一段と強くなる。滝谷避難小屋から沢に降り、補修された橋を探す。
 濁流となって流れる沢に平均台のような橋を見つけた時にはおもわず「やったー!」
 小屋の方たちが補修してくれたとかで、我々の遅い出発がプラスに働いたということになる。
 あとは小屋までの小一時間、頑張ろう。
 雨上がりなので日差しも弱く、秋の花々に励まされて登る。
 やっと、槍平小屋が見えた。雨に降られて雨具を脱いだり着たり、渡渉の不安を抱えながらも予定の4時間半での到着はえらい、えらい!
2日目
 今日は晴天。山頂での絶景を期待して、出発前の笑顔でパチリ!
 晴天ということは、つまり暑いということ。標高差400Mは周りの景色に励まされながら登る。
 奥丸山山頂2440Mからは、360度の大展望。残念ながら笠ヶ岳の方は雲がとれなかったが、槍、穂はバッチリ!
 北穂から南岳への大キレットがくっきり。
 西鎌尾根が槍へ突き上げる。
 奥穂から西穂へジャンダルムが続く。これぞ夏山、と云わんばかりの入道雲と輝く空。我々だけの山頂は、とても立ち去りがたかった。
 後ろ髪を引かれる思いで(え~、髪のある人は....)、下山にかかる。鬱蒼とした針葉樹や橅の樹林帯の足元は、湿った木の根や岩、笹がすべり、ときどき、誰かがステンと尻もちをついたりして、とても気が抜けない。
 なかなか平坦な場所が無く、ちょっと開けた小さな沢でお弁当を広げた。途中、清涼な湧水にも出会い生き返った気分。
 わさび平小屋ではリンゴやレモン、キュウリにトマトが良く冷やされており、皆手が出る。ビールの方に手が出た人も!
 新穂高温泉までの左俣林道も長かったが、途中風穴があったり、お喋りを愉しむゆとりができた。
 今日の下りは標高差1200M!
 今晩の宿「ペンション山の湯」は、以前、西穂高岳山行の折にもお世話になった所。温泉につかり、湯あがりにビール、おいしい夕食と、やはり山と温泉は相性抜群!
 ところでこのスナップ、どこかの‘収容所’のようになってしまったが、カメラが悪い?せいなので、悪しからず...。
 宿のオーナー手造りの露天風呂。小鳥の声を聞きながら入れば最高(美女がいないのは残念)。
3日目
 朝。ペンションの周囲は良い散歩道。源泉の取り口に木漏れ日がはじけて、今日も晴天を約束してくれている。
 出発前にオーナー夫妻と記念写真。このあと若干3名が少々疲れがひどいので、上高地までの行程を省かせてもらい帰途につく。
 本隊は予定の行程を愉しみ上高地での一浴後、無事新宿帰着とのこと。あとで知ったが、1日目の雷雨のおり、槍ヶ岳登山の人が落雷で亡くなったとか。山は非日常の世界。美しさ愉しさの裏側の怖さを、いつも忘れないようにしなければ...。それを思うと係をして下さる方にはほんとうに感謝、感謝である。(T記)
 今回のリーダー会企画8月号のキャッチコピーは、「アルプスの稜線でコーヒーを」でした。
 西穂山荘のティールームで、お約束を果たすメンバーの笑顔。