◇922 東北花の山旅

2013年6月6日(木)~8日(土)

天 候:曇り
費 用:27700円
参加者:21名
行 程:1日目 上尾= 矢越登山口―徳仙丈山―矢越登山口= 南三陸町防災対策庁舎= 南三陸仮設商店街= 民宿下道荘
 2日目 民宿下道荘= 赤坂峠―五葉山―赤坂峠= 陸前高田奇跡の一本松=南三陸仮設商店街 = 民宿下道荘
 3日目 民宿下道荘= 室根山ふるさと自然公園センター―室根山頂上―室根山ふるさと自然公園センター= 大宮= 上尾

東日本大震災から早くも2年が経過。今も応援に出かけるボランティアが後を絶たない。我々にできることは、経済の活性化に寄与することぐらいかとの思いで、東北の山を歩き、宿泊や土産物購入で貢献することに。
[1日目]
 徳仙丈山へ。前日の読売新聞に「徳仙丈山は、50万本のつつじが見ごろを迎えている」との記事が。大いに期待して山に入り、展望台に上る。目の前には延々とつつじ帯が広がっている。しかし、花は既に終って一面緑。裏切られた思いを抱き、まばらに咲いているつつじを愛でながら頂上を目指す。360度の展望を持つ頂上に立ち、幾重にも続く山並みの眺めを堪能する。さあ、南三陸町へ。ひた走るバスの車窓に、ずたずたに切断された三陸鉄道の線路が映る。海岸から続く嘗ての街並みは全て流されて、その惨状に息を呑む。震災直後は如何ばかりであったことか。鉄骨だけになった唯一の建造物である防災対策庁舎の駐車場跡には、献花と線香・千羽鶴が・・・。募金箱は満杯になっており、無理やり押し込む。当地出身のFさんが被災当時の様子を語ってくれる。屋上に逃れた11人の内、アンテナによじ登れた一人を除き半身ずぶぬれになり、ネクタイなどを燃やして暖をとりながら、救助を待ったこと、最後までマイクで避難を呼びかけていた女性職員は、津波の犠牲になってしまったことなど、涙なしには聞けない話ばかり。Fさんが確保してくれた民宿に投宿。この民宿も津波で流され、高台に新築したばかり。海鮮の夕飯は豪華そのもので、民宿料金の安さに採算を懸念し、申し訳ない気持ちを抱きながら眠りに。
[2日目]
 早起きの数人は目の前の漁港へ。漁師が漁港近辺の惨状を話してくれる。湾に沿って津波が横に走り、民宿などをさらっていったことや、この辺りは80cmほど地盤沈下しており満潮時には海面すれすれになることなど、身につまされる思いで聞いた。朝食後バスで、津波の爪痕の残る地域を何か所も通過しながら、2時間半かけて五葉山登山口へ。登山路に積まれた薪の脇に、シャクナゲ小屋まで運ぶことを依頼する立札がある。薪を手に持ったりザックに入れたり、皆が快く協力する。なだらかな広い山頂だけは冷たい風が吹いており、帰路の時間を気にしながら早めに下山する。途中の陸前高田では、奇跡の一本松に立ち寄り、復元の意義をそれぞれに思いめぐらす。南三陸町仮設商店街の閉店しかけていた海産物店で、地域の経済活性化を願いながら海産物を物色し、それらをぶら下げて民宿に帰り着く。
[3日目]
 岩手県一関市にある室根山へ向かう。津波被災地域を出る辺りの山裾に立てられた大きな何枚もの盤に「世界のみなさんありがとう」の文字が。地域の人々の心からの叫び声が聞こえるようだ。室根山中腹の駐車場から歩き始める。20万本のつつじが見ごろのはず。しかし、初日に裏切られているため、期待しながらも半信半疑。突然ぱっと視界が開け、目の前が赤に変わる。つつじの花で覆われている。今度は本物だ。ヤマツツジにレンゲツツジどれも今が盛りと咲き誇っている。頂上から見下ろし、山腹から見上げ、満足して帰路に。
東日本大震災の現状を、山行に絡めて知る機会を作ってくれたリーダーに改めて感謝! 

I.記

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