北アルプス/白馬三山縦走

2012年9月13~15日(土)

扉 目指す白馬鑓ケ岳

1日目
  栂池自然園、すでに標高は1850mだからと、余裕ある気分で歩き出す。ぬかるみの多い路ではあるが、ツルニンジンの花や、ゴゼンタチバナの赤い実、シラタマノキの白い実などを愛でながら歩く。しかし、天狗原を過ぎると一変。大きな岩がゴロゴロの路。先が尖って足をおける面積がわずかな岩の上を渡り歩く羽目に。不安定な歩みに、景色を見ることもできず、心身ともにすりへる。乗鞍岳を過ぎた所で、ライチョウに出会えたのは唯一の救い。無事白馬大池山荘に着いてホッとする。

2日目
  目覚めると空には満点の星。山荘を出発して間もなく、高妻山と乙妻山の稜線から昇ったご来光に手を合わせる。路には大きな岩はなく、順調に歩む。小蓮華山からの白馬三山の眺望にパワーを得、白馬岳には意外なほどすんなり登頂。杓子岳では、ガレ場の急登に苦しむ。しかし、ここからの光景、青空を突き刺すように尖った白馬岳の山容に感動する。鑓ケ岳への最後の登りも、全員なんなくこなす。三山のいたるところに、時期の過ぎたウルップソウの群落が見られたのが印象的だ。真っ赤に紅葉したウラシマツツジ、時期遅れで咲いているコマクサ、緑濃いハイ松とカールを埋めて駆け下る草黄葉との織り成すコントラストなどに、ついつい歩みが止まる。鑓温泉小屋への長い下りでは、綿毛と化したチングルマが、一帯を薄紅に染めるお花畑を突っ切り、要注意とされている鎖場を慎重に突破。鑓温泉小屋に到着するや早速、露天風呂にザブーン。
3日目
 戸隠山をも呑み込んだ雲海から昇るご来光を拝んでから、下山開始。滑りやすい石に、気を遣いながらの歩行。進めど歩めど一向に高度は下がらない。振り返り仰ぎ見ると、縦走中には穏やかに思えた山容が、急峻な崖となって聳え、新たな思いで眺められる。ウメバチソウ・トリカブト・クロクモソウ等があちこちに咲き競い、名残りを惜しませてくれる。灌木帯を過ぎ、橅林に入って漸く駐車場のある猿倉に到着。思い出多い山行に幕を下ろした。
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