779 秩父/御岳山

12月10日(土) 本部合同

秩父御岳山頂上 秩父御岳山頂上にて


 前日、秩父地方は初雪で、積雪が心配ではあったが、予定通り山行を行った。
 三峰口駅に総勢15名が集合し、舗装道路を歩き出す。荒川を渡り、わずかに国道を歩くが、野性の猿が道路を横切っていくのには驚かされた。
 町分の登山口から山道に入る。まだ雪はない。急坂をひと登りすると、三峰口駅方面の眺めが開ける。あとは、比較的なだらかな山腹道を辿って徐々に標高を上げていく。素晴らしい青空のもと、すぐ近くには熊倉山、少し奥に武甲山や意外にピラミダルな小持山が見える。
 登るにしたがって、周囲には雪が現れる。標高800メートルあたりからは、雪道歩きとなる。やがてタツミチと呼ばれる古池コースとの分岐点にでると、あとは痩せた尾根をスリップに注意しながら頂上へと歩みを進めていく。すっかり葉を落とした木々の間から、真っ白な浅間山が頂上を覗かせている。ひとしきりの急坂を登りきると、頂稜に到着する。頂上はもう指呼の間である。
 頂上でゆっくりと昼食にする。頂上にある祠の脇からは、南に雲取山や和名倉山、西には両神山、そして北には、西上州の先に群馬県央や上越国境、奥日光の山々が見わたせる。そのなかに、秀麗な双耳峰が見える。美しい、真っ白なその山は、「燧ヶ岳」。はるかな尾瀬の一角が見えることにちょっと感動する。
 なお祠の横からワラビ平に降りる道は、その先の落合への下山道が崩壊しているとの由にて、通行禁止になっていた。
 頂上からは、杉ノ峠に向かう稜線に入る。少し降りると稜線が広がって、楽しい雪道になる。だがそれも一時で、すぐに稜線が細くなり、トラロープや一ヶ所だけだが鎖場があるような急峻な痩せ尾根になる。スリップに気をつけながら、慎重に下っていく。
 やがて送電線鉄塔に着き、振り返ると今降りてきた稜線が素晴らしい鋭鋒に見える。だが、白いガードレールを光らせた林道が、山腹を横切って、何とも目障りな感じだ。さらにほんの一投足で杉ノ峠に降り立てば、後は林間の道を強石(こわいし)の集落に向かって降りて行く。
 植林の中の道を辿り強石に降りる。住民のための舗装道路とは別に、まっすぐに降りていく歩道が続いている。時に分かりにくいところもあるが、小さな標識を見つけながら、この道を下る。最後の標識を見つけ損なってちょっと遠回りになったが、無事に国道に降り立った。
 ここからは少し、大滝方面に戻って、荒川を渡り、出発点の三峰口駅へと戻っていく。傾きかけた日差しが、山々を立体的に浮かび上がらせている。一行は、山行の余韻に浸るように、のんびりと駅へ向かって歩いた。何とも楽しい雪山山行だった。

(O記

秩父御岳山付近概念図