736 岩手三百名山/秋田駒ケ岳~乳頭山、和賀岳、姫神山

7月15~18日(月・海の日) 本部合同

秋田駒~乳頭山縦走路 秋田駒から乳頭山へ向かう縦走路

参加者42名
費 用16,000円
行 程 
7/15(金)大宮発21:40→
16(土)岩槻IC・東北自動車道・盛岡IC→駒ケ岳登山口駐車場5:00~6:00→シャトルバス6:00~30→八合目駐車場・歩行開始6:40・・・阿弥陀池7:45・・・男女岳8:00~20・・・横岳8:45・・・焼森山8:55・・・湯森山9:45・・・笊森山11:15~50・・・乳頭山12:55~13:20・・・田代岱山荘13:45~55・・・孫六ノ湯15:05・・・乳頭温泉・下山15:15→滝沢村17:35(登山行動時間8時間35分)
17(日)滝沢村3:55→真木渓谷旧マタギ小屋登山口・歩行開始7:30・・・ブナ台8:00・・・滝倉場8:25・・・倉方9:25・・・薬師岳10:05~20・・・小杉山10:55・・・小鷲倉11:25・・・和賀岳12:05~25・・・小杉山13:15・・・薬師岳13:50・・・滝倉水場15:00・・・甘露水15:45~15:55・・・旧マタギ小屋登山口・下山16:05→真木林道入口17:15→滝沢村19:00(登山行動時間8時間35分)
18(祭)滝沢村5:00→姫神山一本杉登山口歩行開始6:15・・・五合目6:45・・・姫神山7:55~8:15・・・こわ坂コース林道9:00・・・一本杉登山口駐車場下山9:30→滝沢IC・東北自動車道・岩槻IC→大宮17:00(登山行動時間3時間15分)


一日目 秋田駒ヶ岳~乳頭山 (晴れ、高曇)
 花の百名山、秋田駒ヶ岳から乳頭山までの縦走ということで、たいへん楽しみに参加する。地元のシャトルバスで八合目駐車場まで入る。歩き出すと、さっそく白山チドリの花が目につく。白山シャクナゲの清楚な姿も、ちょうど今が見頃だ。登るにつれ次々と現れる花々の饗宴、その種類の多いこと、数え切れない。さすが花の名山だ。
 片倉展望地に出ると、田沢湖が俯瞰でき、周りの山々やたなびく雲を湖面に映し美しい。また遠くには、森吉山がなだらかに裾野を広げて素晴らしい景色を見せている。さらに花の道を緩く登っていくと阿弥陀池に至り、気持ちよく木道を歩く。避難小屋からの急登を頑張ると秋田駒ヶ岳の最高峰、男女岳に到着。周りの男岳、女岳、小岳などの展望を楽しむ。しかし今日のコースはまだ始まったばかり、先を急ぐ。
 一度、阿弥陀池に下り横岳に登り返す。ここから思ってもいない花の縦走路が待っていた。焼森山の砂礫地にはコマクサが守られるように広がり、まだ可愛い小ぶりな花を咲かせている。これから年数がたつに従い立派になってくるのだろう。大切な自然を守りたいと願う一方、花の山の観光に寄せる期待なども感じられ、この山に対する町の取り組みが見えてくる気がした。その後、湯森山、熊見平、笊森山と、両脇に濃いピンクのヨツバシオガマの花がどこまでも続く道を、緩くアップダウンを繰り返す。時々湿原が現れ、湿性植物も数多く顔を見せる。そしてニッコウキスゲの群落が遥かに広がり、皆の歓声が方々で続く。そんな花のプロムナードも最後のピークを迎える。石の積み重なった比較的狭い乳頭山頂から、秋田駒ヶ岳や田沢湖を眺め、今日の長いコースを辿ってみる。こんな時は至福の時間で心が和む。しかし、眼前に広がる岩手山は、山頂部分を夏の白い雲が覆い、その秀麗な全容を現さなかった。その後、田代岱から乳頭温泉に下ったが、少々道は荒れていた。 昨日まで暴風雨であったとの事だが、今日は嘘のように晴れ、程よい縦走日和であった。また期待にたがわぬ素晴らしいコースで、また歩いてみたいと思った。

↑秋田駒ヶ岳山頂付近↑焼森山々頂↑乳頭山
↑秋田駒~乳頭山縦走路の花↑秋田駒~乳頭山縦走路の湿原↑秋田駒~乳頭山縦走路の木道原

二日目 和賀岳 (晴れ、曇)
 和賀岳は真昼山塊の主峰で、手つかずの自然が残る、奥深い山の一つだ。夏のキスゲの写真が印象的だったので、是非この時期に登ってみたいと思っていた。真木渓谷のマタギ小屋登山口までも時間がかかるので、早朝からの出発となる。
 歩き出すとすぐ甘露水に着き、ここからが本格的な山道だ。シダの下草が生い茂るミズナラやブナ林の中を、ジグザグに登り出す。自然のバリメーターと言われるブナ林だが、なにせ樹林帯の中、蒸し暑く汗が溢れる。しかし時折、微風を感じながらゆっくり歩を進める。
 滝倉水場で沢を通過、更に薄暗い道をジグザグに抜け倉方に出ると、いよいよ薬師岳の登りとなり急登が始まる。今日一番の辛いところかもしれない。そんな道も薬師分岐に出ると緩やかになり、キスゲやフウロ、トラノオなどの花畑の道に変わり、風も心地よく、快適に薬師岳へ登れる。 山頂からは、少しガスの掛かる和賀岳が遥か奥に聳え、それに連なる峰々が、はっきりと望める。まだ先は長そうであるが、周り一面のニッコウキスゲの草原に付けられたトレースを見ると、先を急ぎたくなる。周囲の山並みを望むキスゲの原の縦走は、本当に素晴らしく気持ちよく歩ける。小杉山から笹藪を少々こぎながら登ると、思ったより簡単に小鷲倉に飛び出た。そして待望の和賀岳山頂へ。お天気男のリーダーが、不思議にガスを振り払いながら登ってきたが、さすがに山頂のガスは取れずじまいで、山座同定はできない。しかし最後までキスゲに癒されながらの登りであった。 頂上に先に到着していた数名のパーティーは仙台の方々で、この度の震災に遭われたとのことだが「山に登って元気を貰い、また頑張る」と話されていた。山中では明るそうにしておられたので、山のパワーは本当にすごいと感じた。是非頑張って欲しいと願う。帰路はガスのカーテンコールが叶い、また山並みと花の中を薬師平へと歩き、ゆっくり一息いれる。そして、樹林帯の中に点在して咲く、爽やかなライトブルーのあじさいの道へ往路を戻る。甘露水で今日の疲れを癒すが、薮蚊の無用な出迎えを受け閉口する。

↑和賀岳山頂付近↑和賀岳~薬師岳の稜線↑ちょうど見ごろのニッコウキスゲ

三日目 姫神山 (快晴)
 姫神山は岩手山をめぐり、早池峰山と争い、負けたとの悲しい伝説が残る山だが、その端正な姿は低山ながら、岩手山と対をなすに相応しく美しい。そんな伝説を思いながら登る。一本杉登山口から周回コースを歩く。左に雑木林、右に杉林の道を登ると、ひときわ目に付く大きな杉が枝打ちもされず、周りの綺麗に枝打ちされたスラリとした精鋭杉に、まるで守られているかのように伸びている。これは水場の印か、いや私には御神木に見える。信仰の山でもあると聞く。一合目ごとの標示を頼りに急な階段を登ると、五合目で尾根づたいとなり、ここから大きな岩混じりの道へと変わる。時折、木々の間から岩手山が望める。今日の天気最高、山頂からの展望楽しみと、心弾ませながら急ぐ。山頂に近づくと露岩帯となり、大きな岩を乗り越えているうちに山頂に出る。
 まず、秀麗な岩手山が目に飛び込んでくる。山腹に雲を従え、青空に突き出ている姿は一服の絵だ。両脇には秋田駒ヶ岳や八幡平が顔を覗かせている。まさに奥羽山脈の展望台だ。早池峰山は何処と地図を広げるが、その方角には生憎ガスがかかっており、伝説のライバルは拝めない。ここからどんな姿で姫神山の夫を奪ったのか見たかった。残念。そんな山座同定を仲間と楽しみながらゆっくり過ごす。
 下山はこわ坂コースで樹林帯の中を歩く。低山で今頃花はないが、時折立派な樺などが出てきて、林相を楽しめる。林道近くになると岩手山方面の樹木が伐採されている。山に登れない人でも、ここから十分岩手山を眺められる。そして林道を30分ほど歩き、一本杉登山口に戻る。まだ朝の9時30分だ。 下山すると「やまとなでしこジャパン」が世界一になっており、バスの中で近くの人と乾杯をする。 帰路は道程が長いので、入浴をあきらめ、一路大宮へ向かう。おかげでさしたる混雑もなく、午後五時には解散となる。 ( S 記)

↑姫神山から見た岩手山