ドンデン山の牧草地に咲くキジムシロの群生はまるで天空の休憩所の黄色い座布団か。夢心地になるのどかな風景に織姫様の化身のようなカタクリの花、最後に現れたシラネアオイの大群生は、果たして夢の中で見たものなのか、幻なのか、あるいは現実であったのか。一塊の株に咲く五十輪の花、その株が数十株群生する姿はまるで紫陽花の株と見間違うほどの数。これはやはり夢の中の出来事であったのだろう。自衛隊の施設の専用道路を歩くこと1時間20分。その路の両脇にはシラネアオイ、カタクリ、そして、タムシバ、ミネザクラの隊列が金北山山頂まで私たちを警護しながら迎えてくれた。残念ながら、展望には恵まれなかったが、やさしい衛兵達に出会えたことが何よりである。旅は人に出会う、そのほとんどが一期一会であるが、多くのよい人に出会えた旅は正に極上の旅であった。
O 記
愉しんだ花々の名前 | ◇キジムシロ◇ヤマシャクヤク◇イワユリ◇エンレイソウ ◇ヒトリシズカ◇イワカガミ◇ミネザクラ◇カタクリ◇カンゾウ ◇サンカヨウ◇アマナ◇シラネアオイ◇オオカメノキ◇タムシバ ◇ニリンソウ◇スミレ◇フジ◇ホウバ◇ツツジ◇キクザキイチゲ ◇その他 |