NO.637  
一之瀬三山
        


◇期  日:5月22日(土)
◇天  候:晴
◇参加者:7名
◇費 用:1,000円

 多摩川の源流といわれる一之瀬高橋辺りは、深山幽谷の薄暗い予想とは全く異なり、爽快な山々が待っていた。犬切峠で車を降りると、直ぐに広々とした防火帯歩きが始まる。両側は新緑の広葉樹で、そこを流れる初春の空気は実に旨い。急登ではあるが草丈は短く、蕨だけがやたらと目に付き、ついつい手が伸びる。藤尾山(1,673m)の頂が目に入る頃には、防火帯は山路に変わり、しばしばミツバツツジの紫が目を楽しませてくれる。踏み跡もない藪こき、笹に掴まって体を引き上げ、四苦八苦の末に頂に立つ。飛龍山・大菩薩嶺・鶏冠山などが、誘うように眼前に聳えている。登りの時には苦しくて足元ばかり見ていたが、下りでは防火帯に、樹齢数百年と思われる見事な大木が切られずに残されている事に気づく。犬切峠を通り越し、石保土山に向けて防火帯を登る。蕨採りのファミリーが春の収穫を楽しんでいる。陽射しをまともに受ける防火帯歩きに、水分補給の回数が増える。二本楢山の頂を越え、最後の急登を果たして石保土山(1,673m)に到達。しかし三角点の標石が見当たらない。見回すと樹林の50mほど向こうに同じような高さの頂が目に入る。強引に笹薮を分け進むと、突然山鳥が大きな羽音をたてて飛び立ち、先行者の驚きの悲鳴があがる。静寂が戻った足元には8個ほどの卵が収まった巣があり、命を秘めた美しさにしばし見惚れる。そうして到達した頂で漸く三角点の標石を確認。達成感を満喫し、ルンルン気分で唐松の新緑を眺めながら下り、車に到達する頃には、蕨とコゴミの充分な収穫が。静寂さも爽快さも存分に堪能した山行であった。マイカー使用の新制度を利用した山行の実施と共に、車を提供し運転の労をも供されたリーダーTさんに、参加者全員から感謝の念を奉げたい。     I記




防火帯を登る



陽射しの下で水分補給



所々にミツバツツジが



わずかな木陰?歩き



防火帯に残された大木



通い慣れた道なれど



石保土山頂にて



山鳥の卵



新緑の唐松帯を下る