NO.516 
◇ 谷 川 岳

◇期  日:10月18・19日(日)
◇天  候:秋晴れ
◇参加者:5名
◇費  用:12,000円(大宮起算)


コースタイム
10/18 : 大宮駅7:45=土合駅9:59〜10:25―JR巡視小屋11:50―芝倉沢11:55〜12:25―白樺避難小屋14:05―蓬小屋15:05
10/19 : 蓬小屋5:50―武能岳山頂6:35―茂倉岳山頂8:30― 一ノ倉岳山頂9:05―谷川岳(トマの耳)11:00〜11:35―西黒尾根ガレ沢の頭12:45―巌剛新道第一見晴台14:00―旧国道14:45―土合駅15:32=大宮駅18:17

[ 10月18日 ]

 上越線土合駅の下りホームは地下深く、改札口まで486段の階段上りとなり、登山前の準備運動となった。秋晴れの下、湯檜曽川沿いの新道を蓬峠に向かう。日本三大岩場の一つである一ノ倉沢の眺めを期待したが、紅葉の深い樹林がこれを妨げる。芝倉沢を渡る所で、漸く屹立する堅炭岩峰群を仰ぎ見る。ここで益々意気が高揚し、力強く歩みを進める。白樺尾根の九十九折れの急坂を登りきると視界が開け、東には白毛門や笠ケ岳、朝日岳、北には間近に鉄砲尾根の紅葉が、日に輝いている。秋の眺望を満喫して、15時過ぎに予定の蓬小屋に無事到着。定員20名の小さな山小屋に、28名が宿泊するという。毛布と敷布団代わりのシュラフ、そして辛うじて仰向けに寝られる幅の寝場所を確保する。夕食時には、敷いてあった寝具を片隅に寄せて食事スペースを作り、この山小屋定番のカレーライスを食べる。食後には、山上の星を期待して外に出る。真っ暗闇の中で、目に入ってきたのは満天の星・天の川。久々に鮮明に見ることができた。しかし、強風が吹き荒れており、体感気温は氷点下とも思える寒さに、感慨に浸る間もなく、早々に山小屋に逃げ込み、明日の好天を期待して19時10分に就寝。

[ 10月19日 ]

 5時からの朝食を済ませ、外が明るくなるのを待って5時50分に山小屋を出る。前夜来の強風に加え、視界10メートル程の濃霧の中の出発となった。稜線歩きのため、右も左もただ乳白色。強風に煽られながら、武能岳山頂を示す標識に到達。視界が無いため、一息入れる間もなく下り始めると、忽ち霧が晴れ、青空と周囲の山々の雄大な眺めが出現。笹平からの400メートル近い標高差を登りきった茂倉岳の山頂は、正に360度の展望である。しかし、あまりの強風に、早々に一ノ倉岳に向かうと、間もなく風がおさまり、休憩、眺望、写真撮影を満喫する。北には通ってきたばかりの尾根が、西には万太郎山、仙ノ倉山、平標山、苗場山などが、東には武尊岳、巻機山、朝日岳などが、南には、目指す谷川岳の岩峰などが望める。一ノ倉岳を過ぎる辺りから、東側は遭難の多発により「魔の山」と言われるに至った岩壁が深く落ち込んでいる。稜線の一ノ倉沢側ぎりぎりに道が付いている所もあり、一層の緊張を強いられた。谷川岳頂上は、オキの耳、トマの耳とも人・人・人。西黒尾根寄りに下がった所で昼食をとり、西黒尾根からの下山に取り掛かる。ここからは、岩道の急降下の連続となり、登り以上に体力を消耗する。それでも、東尾根シンセン岩峰などの厳めしい光景が目に入ると、シャッターを押すために、しばしば歩みを止める。ガレ沢の頭から巌剛新道に入ると、尾根に遮られた日陰のため、足元の岩が濡れて滑り易くなっており、一層慎重な歩みを余儀なくされる。それでも、厳しい様相のマチガ沢の眺望は抜群であり、且つ、第一展望台では、岩と雪渓と紅葉を一目で見ることが出来、自然の造形美を堪能して、谷川連峰を後にした。
 大宮に予定の時刻に帰着し、二日間の好天に感謝して、全員で"乾杯"。   I 記


芝倉沢で昼食、後方に堅炭岩峰


紅葉に覆われた鉄砲尾根の向こうに清水峠


湯桧曽川を挟み朝日岳、笠ヶ岳、白毛門


蓬峠


嘘のように濃霧が晴れ、たどり来し茂倉岳を振り返る


一ノ倉岳付近より谷川岳を望む


左側がスパッと切れ落ちる“ノゾキ”


“ノゾキ”より、朝日岳、笠ヶ岳、白毛門


谷川岳より万太郎岳、仙ノ倉山と連なる稜線、右後方は苗場山


オキノ耳よりトマノ耳に向かう


西黒尾根より双耳峰の谷川岳、右に東尾根のシンセン岩峰


西黒尾根、左上方にザンゲ岩


第一展望台よりマチガ沢