No.500  ◇鳥海山、月山(本部合同)


◇ 期 日:7月26・27日(土・日) 晴れ
参加者:浦和支部10名、本部16名  計26名


コースタイム
25日 大宮22:00=
26日 鉾立4:55〜5:30―賽ノ河原6:50―御浜小屋7:30―七五三掛8:40―大物忌神社10:00―新山頂上10:30―大物忌神社10:50〜11:20―御田原分岐13:00―御浜小屋13:20―鉾立14:45〜15:30=月山荘17:55
27日 月山荘6:50=リフト上駅7:35―姥ケ岳頂上8:00―牛首8:45―月山頂上9:45〜10:10―リフト上駅11:35=姥沢12:15=大宮18:15

 前夜22時発の予定に対し、山行への期待の大きさの表れか、30分近くも前に参加者のほとんどがバスに着席していた。出発して30分ほどで車内は消灯され、それとともに静寂につつまれ、夢の中の旅人になった。
[7月26日]
 真っ青に晴れ上がった空の下、5時前に標高1100mほどの鉾立の駐車場でバスから降り立つと、眼下に緑の庄内平野、くっきりとした海岸線、そして日本海の壮大な眺めが。
 5時半に名峰 鳥海山を目指し出発。すぐに、厳しく落ち込んだ奈曽渓谷にしばし見とれる。賽ノ河原を過ぎるあたりから、クルマユリ、ヒナザクラ、イワイチョウ、キバナノコマノツメ、ウサギギクなどが姿を現し、雪渓も眼前に広がる。緩やかな登山道を登りつめ、御浜小屋のある尾根に立つと、そこは花、花、花。正に大自然が作り出したお花畑。ニッコウキスゲがあたりを黄色に染め、ハクサンフウロやヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、ネバリノギラン、ハクサンシャジンなどが咲き乱れ、それぞれの存在を主張している。眼下には雪渓を抱いた鳥海湖が横たわり、お花畑は湖畔まで続き、朝の日差しを受けている。
 このお花畑を心ゆくまで堪能したい“ゆとり組”は、鳥海山登頂組を見送り、咲き誇る花々を愛でながら、ゆっくりと散策。
 登頂組は、徐々に高度を上げ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、チョウカイフスマ、イワブクロ、タカネツリガネニンジン,チシマフウロ、ミヤマリンドウ、エゾリンドウ、チングルマ、ミヤマホツツジ、ミヤマダイモンジソウ、ホソバイワベンケイ、チョウカイイチゲなど、次々と目に飛び込んでくる花々を楽しみ、また、延々と続く雪渓を慎重に登り、大物忌神社に到達。そこからは、大きな岩を積み上げたような最後の難所である新山の登頂に取組んだ。岩の塊にしがみつき、また次の岩にしがみつくようにして20分ほどの奮闘。漸くたどり着いた頂上は 、数人しか立てないほど狭い。達成感をしばし味わい、早々に大物忌神社まで下りて、漸く昼食にありつく。
 満腹と登頂の満足感を得、心残り無く、登ってきた道をバスの待つ鉾立に向けて・・・
[7月27日]
 月山の麓、月山荘を6時50分に出発。曇りかと思われた空も、バスがしばらく走ると忽ち雲の上に。柔らかな綿を敷き詰めたような雲海を眺めながら、リフトでさらに高度を稼ぐ。
 “ゆとり組”は、この辺りで大自然の恵みを求めて心行くまで散策。月山登頂組は、雪渓を慎重に登り、姥ケ岳の頂上に立つ。鳥海山で出会った高山植物に加え、ミヤマウスユキソウやウメバチソウも咲いている。南には雲海越しに朝日連峰が、そして、北には昨日登った鳥海山がわずかに頭を覗かせている。そこからは月山に向け、ニッコウキスゲを左右に見ながら歩みを進める。アオノツガザクラ、トモエシオガマ、ハクサンチドリ、ウラジロヨウラク、ハクサンフウロ、マルバシモツケなどが次々と現れ、目を奪う。
 遥かかなたに聞こえていたほら貝の音が次第に近づき、10人、そして20人と白装束姿の出羽三山巡りの講の人々が、5組ほどすれ違っていく。ようやく頂上に着くと、月山神社はお払いを受ける白装束の人でごった返している。神社の裏手に周り、一息入れながら登頂記念の集合写真を撮る。下山路には大きな雪渓がいくつも横たわっており、40人ほどのスキーヤーが、ポールを立てて、回転競技さながらの滑走をおこなっている。これを尻目に、我々は滑らぬよう、おぼつかない足取りで下山に精を出し、無事リフトにたどり着いた。その後、バスは高速道路を快調に走り、18時15分に大宮に帰着した。
 鳥海山、月山とも緯度が高いため、雪が漸く消え、一斉に花が咲きそろった時期であり、最高の山行となった。また、本部合同山行であり、16名の本部会員の参加を得たが、支部、本部をお互いに意識することなく、皆が一体となって山行を楽しめたことは、大いに有意義であった。                             池田 記


賽ノ河原に向かって


千蛇谷雪渓を登る


ミヤマキンバイ


新山に取り付く


新山頂上へもう一頑張り


ホソバイワベンケイ


姥ケ岳雪渓


雲海


牛首へ向かって



月山頂上にて